地元の空気を身体に感じたく、ふらっと散歩をした。
ふわっと鼻に入るあの独特の匂い、よく遊んでいた公園、景色。ほとんどそこには変化はなかった。
途中、とある接骨院を通る時、中にいた先生を見つけた。かつてお世話になったこともあり戸惑ったがそれは逡巡に終わり、一瞥を交わすだけで通り過ぎてしまった。
変わらない町は迎え、変わっていない、変わらないとどこかで信じていた私は必然に変化を経験する。錯綜とした現実を前に変化に気づけず、これからも恐れ続けるのだろう。
蔓延ったものだけにとらわれず空に踊り舞う龍のように自身を貫きたいものだ。